スーパーにあるデジタルの値札って何?電子棚札について説明します
最近スーパーや家電量販店などの商品棚でデジタルの値札を見かけたことはないでしょうか。
そのデジタルの値札は電子棚札と呼ばれ、値札の張り替え、差し替え作業の手間を省き、本部で値段を一斉に変更できる機器です。
ここでは、電子棚札について、その仕組やメリット、スーパーでの導入事例をご紹介します。
電子棚札とは
先に述べましたが、電子棚札とは従来の値札に代わる新しいデジタルの値札です。
英名である「Electronic shelf label」の頭文字を取ってESLとも言われています。
システム
電子棚札はパソコンやスマートフォンなど同じ、IoT機器です。そのため、電子棚札には固有の識別番号が有り、それぞれの棚札を専用のクラウドシステムで管理していくことになります。
この専用システムはPOSシステムや基幹システムと連携しているため、POSシステムで価格を変更すると、レジでの価格が変わるように、電子棚札の表示価格も自動で変わります。
電子棚札と専用システムとのやり取りは、中継アンテナ(アクセスポイント)を介して無線(Wi-Fiや赤外線通信、Bluetoothなど)でやり取りされています。
例えばPOSシステム上で、ある商品の価格を100円から90円に変更すると、該当商品と紐づいている電子棚札の表示価格も100円から90円へと変更されます。
表示
電子棚札のディスプレイは電子ペーパーディスプレイで、液晶ではありません。
電子ペーパーとは、紙と液晶の良いところを融合したようなディスプレイです。その特徴は、高視認性・超低消費電力であるということです。
表示を切り替えるときのみ電力を消費する仕組みであるため、ボタン電池での稼働が可能です。
電子棚札は、人手がなくても価格を柔軟に変更できるという省人化ツールです。
そのため、小売業界のDX化の一つのツールとして注目されています。
その他電子棚札のメリットやデメリットはこちらの記事をご覧ください。
https://rental.grt-esl.jp/blog/electronic-shelf-label-merit-demerit/
食品スーパーでの導入事例
ここでは食品スーパーの導入事例をいくつかご紹介します。
主婦の店
三重県内でスーパーマーケット7店舗を展開している主婦の店では、2006年から電子棚札を導入しています。
課題:「価格の差異」「省人化」
値札POPに表示されている価格とレジでの価格に相違があり、それがロスにつながっていたようです。さらに、より広い店舗で従来と同じ人員で運営するにあたり、省人化システムを導入することが課題としてありました。
導入後:「売価違いロスを削減」「作業工数の削減」
売り場とレジで価格が違う事によるロスを削減したことにより、粗利が上がったことから全店に導入を決断したようです。
また、電子棚札システムを導入したことにより、張り替えにかかる工数を削減することに繋がりました。
そして、単に価格表示だけでなく発注業務の改善にも役立てるなどの活用をしています。
ヨーク
ヨークでは「暮らし提案型の食品スーパーマーケットの実現」を目指すため、生産性の向上にも着目しています。
店舗オペレーションの改革として、検品や私物点検の作業の省人化、売価変更の作業が省略できる電子棚札の導入を考えています。
ライフコーポレーション
ライフコーポレーションでは「守・攻・変」を軸に事業を推進しています。
その「攻」「変」において、ネットスーパー事業への注力と店舗オペレーションの改革を行っています。
店舗オペレーションの改革では、セルフレジの導入、AI自動発注の採用、電子棚札の設置を今後積極的に進めていき、生産性の向上を目指していくようです。
マルエツプチ
マルエツプチでは2019年度の「革新と挑戦」のテーマに沿い、店舗現場力の向上に取り組みました。そこで、省人化のツールとして電子棚札をマルエツプチ全店に導入しています。
食品スーパーでの活用
上記の例を見てみると電子棚札システムは店舗業務の効率化を図るための一つのツールとして活用されていることがわかります。
しかし、電子棚札は価格変更の手間を省くという店舗業務の効率化のためだけのツールではありません。
詳細の商品情報の表示
電子棚札に搭載されているNFC(近距離無線通信)機能や、QRコードを表示させることで、表示しきれなかった商品の詳細情報を提供することができます。
例えば、商品のレビュー、その商品を使用した料理レシピ、クーポンの表示、食品表示など様々な情報が考えられるでしょう。
これにより自社専用のアプリへの登録を促す事もできます。
また、LED点滅機能を用いる商品のピッキングに役立てることができます。
コスト削減
更に、電子棚札は値札の張り替え作業の省力化、そして紙などの資源の削減、価格を柔軟に変更することができるため廃棄ロスの削減にも寄与します。
これにより、昨今話題となっている環境問題へ配慮した取り組みを行うことができます。
まとめ
近年の食品スーパー業界では人手不足やOMO(Online Merges Offline)の概念が普及していく中で、店舗オペレーションの変革、オンラインとオフラインを融合させた販促活動が必須となってきています。
その一つの手段として電子棚札が使用され始めているのがわかります。
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