電子棚札(ESL)とは?
電子棚札とは、小売店で使われている従来の「紙の値札をデジタル化する」目的で開発されたデジタルツールです。
英名の「Electric Shelf Label」の頭文字をとって「ESL」と呼ばれることもあります。
電子棚札が普及し始めた当初は、小売店を中心に導入が進んでいました。
しかし、現在では「インターネットに接続できる小さな表示器」という特徴を活かして、製造業や物流
業でも「在庫管理」や「ピッキング作業」を効率化するツールとしての導入が進んでいます。
製造業や物流業に導入される際には、「電子棚札」ではなく「電子ペーパー」という名称が主流です。
電子棚札(ESL)の仕組みと使い方
電子棚札の使い方は、まず電子棚札を小売店の商品棚や、製造業や物流業の倉庫の在庫棚に電子棚札を
設置します。
次に、小売業であれば、商品を管理している「基幹システム」や「POSシステム」と、製造業や物流業
であれば、在庫を管理している「在庫管理システム」と、それぞれ電子棚札の「管理システム」をAPI
連携させます。
そして、店頭や倉庫内に、各電子棚札に指示を送る「アクセスポイント」をLANケーブルでつなぐこと
で、Wi-FiやBluetoothを通じて、電子棚札の表示内容をパソコン操作できるようになります。
GRトレードなら
クラウド・オンプレミスの両方に対応!
電子棚札のシステムを導入する際には、お客様のニーズに合わせて、GRトレードの「クラウドシステ
ム」を活用していただいたり、お客様の既存システムに「オンプレミス構築」も可能です。
特に、製造業や物流業のお客様は、既存の自社システムに合わせてオンプレミスでの構築をご希望され
ることが多いです。GRトレードでは、クラウドシステム・オンプレミス構築問わず、柔軟に対応いた
します。
クラウドシステム導入とオンプレミス構築の違いについては、以下の関連記事で詳しく解説していま
す。合わせてご覧ください。
▼関連記事:電子ペーパーは「オンプレミス」と「クラウド」のどちらで導入すべき?メリットとデメリットを徹底比較 https://grt-esl.jp/effects-features/on-premisess-cloud/
電子棚札(ESL)の「3つの特徴」
電子棚札は、小売業の値札や、製造業・物流業の棚札を「デジタル化」するツールとして様々な特徴が ありますが、ここでは代表的な「3つの特徴」について解説します。
遠隔操作で一斉に表示内容を変更できる
電子棚札の最大の特徴は「遠隔操作」で表示内容を「一斉に変更できる」ことです。
これにより、商品数が多く値札の張り替えに時間がかかる店舗では、POSシステムに登録し
た変更後の値段に合わせて、手間なく店頭の値札の表示内容を変更できます。
さらに、電子棚札の特徴を活かし、多店舗展開をしている企業では、本部で決定した値段を
各店舗の値札に瞬時に反映させています。
▼関連記事:大手家電量販店が電子棚札(ESL)を全国の数百店舗に導入した「3つの理由」 https://grt-esl.jp/retail/kaden-3reasons/
消費電力が少なくボタン電池で数年間も使える
電子棚札は、表示内容を書き換える時のみ通電するため、表示内容を変えない限りは、電力消費しません。
そのため、電子棚札は市販のボタン電池で稼働するのですが、消費電力が少なく、1日に表示
内容を2〜3回変える使い方でも、耐用年数は5年以上もあります。
▼関連記事:電子ペーパーとは?表示原理やメリット・デメリットを徹底解説 https://grt-esl.jp/retail/e-paper-meritdemerit/
1つあたりが安くて軽い
電子棚札が普及する以前は、表示器といえばデジタルサイネージやタブレット端末が中心
で、導入コストだけでなく、デバイスの重さや電源の問題で、設置できる場所や数量に限界がありました。
しかし、電子棚札は、デジタルサイネージやタブレット端末と比べて1つあたりの値段が安い上に、重量も軽く、ボタン電池稼働なので、設置場所を選びません。
この特徴を活かして、小売業だけでなく、製造業や物流業の「小さな表示器」として「在庫管理」や「製品・部品のピッキング作業」を効率化するツールとして、導入が進んでいます。
電子棚札(ESL)を導入する
「5つのメリット」
電子棚札は、小売業の値札や、製造業・物流業の棚札を「デジタル化」するツールとして様々な特徴がありますが、ここでは代表的な「3つの特徴」について解説します。
人手不足の改善
どの業種のどの企業でも「人手不足の解消」が急務となっていることでしょう。特に、現場で作業をする人員は、年々採用が困難になっていませんか?現場の「業務効率化」と「人手不足の解消」を同時に実現するために、電子棚札を導入する企業が増えています。
特に、慢性的に人手不足が課題となっている小売業、製造業、物流業では、限られた人員で最大のパフォーマンスを発揮する必要があるため、電子棚札の導入が急速に進んでいます。
在庫管理の効率化
電子棚札のシステムと「POSシステム」や「在庫管理システム」をAPI連携させることで、電子棚札に店頭とバックヤードの在庫数を表示させる設定も可能です。
棚卸しで正確な数値を把握する必要がある際には、1つずつ数える必要があるものの、大まかに在庫数を把握する程度であれば、作業のついでに電子棚札に表示された在庫数を確認するだけで済みます。これだけでも、在庫管理を大幅に効率化できると実感できる方も多いのではないでしょうか?
▼関連記事:圧倒的な効率化を実現!電子棚札を活用した在庫管理改善事例「3選」 https://grt-esl.jp/effects-features/stockcontrol-example/
顧客満足度の向上
小売店では、お客様から在庫確認の質問をされることがあると思いますが、従来は一度お待ちいただき、バックヤードに確認に行って、回答するという流れが一般的です。これでは効率が悪い上に、在庫がなかった場合は、お客様からの印象が悪くなることもあるでしょう。
しかし、電子棚札に在庫数が表示されていたら、その場で回答できるため、顧客満足度の向上につながります。
また、電子棚札の導入で、値札の張り替えや棚卸し作業を効率化して、空いた時間を接客サービスに充てられることにより、顧客満足度や売上の向上も期待できます。
作業効率の向上
棚札を張り替える作業は、単純作業なので誰にでもしやすい作業ですが、それゆえに、集中力を継続させることが困難で、ヒューマンエラーが出やすい作業の1つです。
棚札の貼り間違いが発生し、小売店では、棚札とレジでの精算時の値段が異なるとお客様の信頼低下につながりますし、製造業・物流業では、出荷ミスが続いてしまうと、契約を打ち切られる恐れもあります。
このトラブルを避けるために、ヒューマンエラーが出る前提で、2名体制で棚札の張り替え作業を行うこともあるため、電子棚札を導入するだけで大幅な作業の効率化を実現できるとイメージできることでしょう。
従業員の不満解消
手作業で棚札を張り替える作業は地味な上に、ミスが許されないので、担当する従業員が
「やりたくない作業」の1つです。この作業を自動化することで、従業員の不満を1つ解消できます。
棚札の張り替え作業だけでなく「棚卸し作業」も、進んでやりたいという従業員は多くないはずです。電子棚札を導入することにより、この棚卸し作業を効率化できれば、従業員の不満解消にもつながります。
▼関連記事:棚卸差異が発生する「原因と対策5選」|棚卸しを効率化する方法や便利なデジタルツールも解説 https://grt-esl.jp/effects-features/inventory-difference/
電子棚札(ESL)を導入する
「3つのデメリット」
あらゆるデジタルツールには、メリットがあればデメリットもあります。
ここでは、電子棚札を導入す
る際の「3つのデメリット」についても解説します。
電子棚札の導入を検討している方は、メリットとデメリットの両方を考慮して、検討を進めましょう。
商品管理のデジタル化も必須
電子棚札を導入するには、商品管理システムや在庫管理システムと連動させる必要があります。
そのため、商品や在庫を紙の台帳で管理している場合は、電子棚札を導入できません
導入コストがかかる
紙の棚札に比べると、電子棚札の導入コストは高く感じるかもしれません。
しかし、電子棚札を導入することで得られる「作業効率化によりコスト削減」や「顧客満足度の向上による売上増加」を長期的な視点で考えると、決して高い投資ではないと判断する企業が年々増えています。
表示できるコンテンツに限界がある
一般的に使われている電子棚札は「黒、白、赤」の3色表示が多い上に、選べるフォントの種類も限定的です。電子棚札による「業務効率化」だけでなく「訴求力の向上」を求めるのであれば物足りないと感じるかもしれません。
そこで、電子棚札の弱点を補い、電子棚札の強みを最大化させるために併用したいのが「レールサイネ
ージ」と「電子ポップ」です。
この2つのデジタルツールは、今後、電子棚札と同様に急速に普及する勢いがあるため、次の項目で詳しく解説します。
電子棚札(ESL)と合わせて導入したい
「レールサイネージ」「電子ポップ」とは?
電子棚札に表示できる内容に限界があるため、それを補うために導入が進んでいるのが「レールサイネ ージ」と「電子ポップ」です。
レールサイネージとは?
棚札の代わりに設置する「細長いレール状のデジタルサイネージ」のことで、フルカラーであり、どんな画像も動画も表示できます。
電子POPとは?
小売店で使う「POP」に特化した、小型のデジタルサイネージです。
レールサイネージ同様に多種多様なコンテンツを表示可能です。
POSシステムと併用して、POP作成ツールを入れている小売店も増えていますが、GRトレードでは、東芝テック様のPOPシステム「Net@POP」から、商品棚に設置している「電子棚札」「レールサイネージ」「電子ポップ」に、ボタン1つで表示させられる仕組みも構築しております。
電子棚札(ESL)で効率化を実現した「3つの事例」
電子棚札の「特徴」や「メリット・デメリット」について解説してきましたが、実際にどんな人が導入しているか知りたいという方も多いのではないでしょうか?
そこでここからは、実際にGRトレードが電子棚札を納品させていただいた「3つの事例」について解説します。
清助刃物様
清助刃物様は、職人が作る「包丁」の販売店で、電子棚札を導入する前は、在庫管理やプライスカードの張り替え作業に手間を感じられていて、その課題を解決するために電子棚札を導入していただきました。
清助刃物様の店内は、黒で統一されたスタイリッシュな印象です。電子棚札の「業務効率化のメリット」だけでなく、店内の内装の1つとして、電子棚札の「見た目のスマートさ」も気に入って、導入を決めたとおっしゃっていました。
▼関連記事:清助刃物様の導入事例の詳細 https://grt-esl.jp/retail/esl-example-knives-store/
KIRIMOYA様
KIRIMOYA様は、新鮮な魚やワインを中心としたセレクトショップで、値札の書き換えや、印刷からの張り替え作業を効率化したいと、電子棚札を導入していただきました。
電子棚札の導入後は、KIRIMOYA様の従業員の方が値札交換をすることが一切なくなり、業務効率化を強く実感したというお声を頂いております。
いにしえ酒店様
いにしえ酒店様は、多種多様なお酒を取り扱う酒店で、値札の張り替え作業を効率化するために、電子棚札を導入していただきました。
いにしえ酒店様では、年に4回商品の入れ替えをする他、取り扱うワインの相場が変わるため、値札の張り替え作業に手間がかかっていました。電子棚札を導入してからは、値札の張り替え作業を効率化できた上に、見た目が良くなったと気に入ったというお声を頂いております。
▼関連記事:いにしえ酒店様の導入事例の詳細 https://grt-esl.jp/retail/esl-example-liquor-store/
電子棚札(ESL)を導入中の「3つの業種」
先ほどご紹介した導入事例は、全て小売店の事例でしたが、冒頭から解説しているように製造業や物流業の企業への導入も増えています。
ここでは、各業種での電子棚札の導入方法について解説します。
小売業
小売業の中でも「日々値段が変化する日配品が多い」「1日の中で値段が変わるお惣菜や生鮮食品が多い」という店舗は、値札の張り替え作業の頻度も多くなるので、電子棚札の導入が進んでいます。
また、多店舗展開している企業は、本部で値段を決定して、全店舗に反映させることが一般的です。紙での張り替え作業には時間がかかり、競合との競争に出遅れる恐れがあるため、電子棚札を導入する企業が増えています。
▼関連記事:こんな店舗は導入すべき!電子棚札(ESL)が解決する「小売業の課題」とは? https://grt-esl.jp/retail/retail-case1/
製造業
製造業では「遠隔操作できる小さな表示器」という電子棚札の特徴を活かして、生産ラインに表示器として導入が進んでいます。
具体的な導入方法としては、事前に生産管理の基幹システムと、電子棚札のシステムをAPI連携させます。そうすることで、生産ラインの工程毎に機種、品名、品番、日付だけでなく、生産数や良品、不良品、歩留まり、などを都度確認できるようになります。生産ラインの不具合にタイムリーに気づけるようになると、電子棚札を生産ラインに導入する企業が増えています。
▼関連記事:製造ラインのDX化!工程内に電子棚札(ESL)を導入して良品・不良品数を「見える化」 https://grt-esl.jp/manufacturer/production-line/
物流業
物流倉庫では、発注書に載っている情報を見て、膨大な在庫の中から出荷物を探し出し、発送作業を行います。この際に、熟練作業員なら各商品の保管場所を把握しているので、ピッキング作業を効率的かつスピーディに進められますが、新人作業員に任せたらピッキング作業が遅いと課題を抱えている物流倉庫は多々あります。
そこで、各商品棚に電子棚札を設置して、在庫管理システムとAPI連携することで、注文書に載っているバーコードやQRコードを専用端末で読み取ると、ピッキングすべき商品の棚にある電子棚札のLEDランプを点滅させられます。
これにより、ピッキング担当者は、光っている棚の商品のみピッキングすれば良いので、作業員の熟練度合いの影響が少ない業務フローを構築できます。
▼関連記事:物流業務のDX化!電子ペーパーで物流倉庫内での商品ピッキングを効率化 https://grt-esl.jp/logistics/picking/
電子棚札(ESL)の「4つの導入方法」
ここまでの内容を読んで、電子棚札を導入してみたいと思っていただいている方もいるかもしれません
が、電子棚札を導入する最初のハードルは「導入コスト」だという企業が多いです。
電子棚札を導入してみたいけど、予算が取れるかわからない、テスト導入して効果測定をしてから本格的に導入を検討したいという担当者も多いのではないでしょうか?
ここからは、GRトレードが提供する電子棚札の導入方法について「導入効果が高い方法」や「初期投資を抑えられる方法」など「4つの導入方法」に分けて、幅広く解説します。
全てを電子棚札に変更
まず電子棚札を商品棚の全てに導入する方法です。電子棚札を導入する目的が「業務効率
化」であれば、最初から全数を電子棚札に変更することをおすすめしています。
一部でも紙の値札を残してしまうと、電子棚札による効率化の効果測定がしにくくなる恐れがあります。
電子棚札とデジタルサイネージの併用
電子棚札を導入することで「業務効率化」と同時に「訴求力の向上」につなげたいという場合は、店内の全てに電子棚札を設置しつつ、レジ前や通路に面した棚に「レールサイネージ」や「電子ポップ」を設置する方法が効果的です。
お客様の目が止まりやすい場所に一部でも、レールサイネージや電子ポップを設置するだけでも、訴求力の向上が期待できるのでおすすめです。
紙の値札と電子棚札の併用
電子棚札を導入したいが、最初から全数を電子棚札に変える予算はないという場合は、日々
値段が変動する生鮮食品や日配品、お惣菜のみ電子棚札を導入し、それ以外の値段が頻繁に変わらない商品には、引き続き、紙の値札を使い続ける方法が多く採用されています。
特に値段の変化が多い商品だけでも電子棚札に変更することで、かなりの業務効率化の効果が見込めます。
レンタルプランを活用
電子棚札を導入する初期費用を極限まで抑えたいという方は、GRトレードのレンタルプランがおすすめです。GRトレードでは最低1枚からでのレンタルが可能で、まずは効果測定や使い勝手を試したいという方に選ばれています。
GRトレードのレンタルプランには、初期費用も契約期間の縛りもありません。とにかく初期投資を抑えて電子棚札を使いたいという方は、レンタルプランをお試しください。
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電子棚札(ESL)で業務効率化を実現しましょう
小売業、製造業、物流業など、幅広い業界で導入が進んでいる「電子棚札」ですが、多くのメリットがあり、多くの課題解決の効果が期待できます。
しかし、各業界や抱える課題ごとに、最適な活用方法は異なるため、もし「自社への最適な導入方法を知りたい」「専門家に相談しながら決めたい」という方は、GRトレードにお気軽にお問い合わせください。
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